種村実穂の”心はいつも旅の空”

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zoom RSS ポルトガル西岸を北上

<<   作成日時 : 2008/12/21 03:50   >>

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にっぽん丸は5月13日にジブラルタル海峡を抜けてしばらくは、そのまま西に
進んでいましたが、翌14日は進路を北に変え、ポルトガル西岸の大西洋を
北上して行きます。
次の寄港地フランスのボルドーに着くのは16日ですから、スペインのイビサ島を
出航してから3日間は終日航海日が続きます。

ポルトガルには私の大好きな街・リスボンがあるので、そのまま通過して
しまうのは残念でなりません。
横浜の港に近い所で育ち、子供の頃の家業が輸出業だったことで、
港や船との関わりも深く、今ではほぼ観光地と化してしまって薄れつつある
港町横浜に漂っていた異国情緒を好んでいたことがリスボン好きの理由なの
かもしれません。
と同時に、数年前のクルーズで寄港したときに見たファドのミュージカルの
素晴らしさが鮮明に記憶に残り、リスボンへの思慕となっていたことも
理由の一つでした。

そのときも、いつものように目的定めず街を空気を楽しみながら通りを
歩いていると、映画館のような地味な劇場のチケット売り場を数人が
塞いでいるところに出くわしました。
窓口の横の壁に貼られたポスターのタイトルは『アマリア』。
そうです、そのミュージカルはポルトガルの国民的ファド歌手、
アマリア・ロドリゲスの生涯を綴ったものでした。

チケットの代金は日本円で3,000円ほどでしたから、迷うことなくチケットを買い、
開演までに軽い夕食を済ませて劇場に向かいます。
二階の前方の席に座ると間もなくカーテンが揚がり、背景も小道具も何もない
舞台が現われました。

ヒロインのアマリアを演じるのは3人。
少女期のアマリア、乙女の頃のアマリア、そして大人の女性となったアマリア、
彼女の人生に意味を与えたそれぞれの時代を、少女と乙女と大人の女性歌手
が歌い演じます。
もちろんアマリアの人生に関わった人たちを演じるのも、ポルトガル中から
選りすぐられた歌手ばかり。
どの歌も情感豊かに、声量豊かに謳い上げてゆきます。
アメリカのミュージカルのような華麗なダンスや煌びやかな衣装はありません。
舞台上にあるのは生活の日常着を纏った人物たちと、胸にジワリと染み込んで
いくファドの調べのみです。
アマリアの子供の頃を歌う少女は素直に楽しげに、乙女の時代を歌う女性は
甘く切なげに、人生の喜怒哀楽すべてを生き抜いた大人の時代を歌う女性は
深く味わい豊かに、アマリアの波乱に満ちた生涯がファドの調べに乗って
語られてゆきます。

装置は舞台の左右に渡された前中後の3枚の上下する板のみです。
歌手を乗せたその3枚の板が上下に移動することで、空間の移動や
時間の経過を表現するという、実にシンプルで、このうえなく効果的な演出が
なされています。

物語のエンディングで、各時代を歌った3人がアマリアの名を世に知らしめた
『暗い艀(はしけ)』を一緒に歌い始めると、客席から一人立ち、二人立ちして
最後には全員が立ち上がり、舞台上の歌手と声を合わせ、
一体感とも陶酔感とも言えるような不思議な感動を生み出しました。

同じ感動をもう一度味わいたくて、その翌日も劇場に足を向けてしまいました。
そのとき乗った客船が、リスボンに2泊停泊してくれたことがどんなに
嬉しかったことか。
クルーズでは一つの寄港地への停泊が短いのが常ですから、『アマリア』を
二度鑑賞できたことは、私にとって大げさでなく僥倖だったといえます。
あれほどの感動を覚えた舞台には、その後出会っていないからです。

にっぽん丸の次回のワールドクルーズでは、是非リスボンに寄港して
もらいたいものです。
そのとき、私が乗船しているかどうかはわかりませんが・・・・

〈にっぽん丸ワールドクルーズ 5月14日ポルトガル西岸〉














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